Tannoy ST200 Super Tweeter について
1999年発売 価格 ¥308,000 (ペア)
タンノイ デュアル・コンセントリック スピーカー向けに1999年に登場した広帯域スーパーツィーター
・25mm口径 ドーム型 24K蒸着高剛性チタニウムダイヤフラム、アルミニウムフォーマー(ボビン)、カッパークラッドアルミニウムボイスコイル、ネオジウムマグネット、カットオフ周波数54kHz(-6dB)、100kHz(-18dB)のユニットを搭載
・内部配線はPTFE(テフロン)被覆の高純度(99.999%)銀線
クロスオーバーネットワークは下記パーツで構成
・無線周波数品質インダクタ
・低損失セラミック基板非誘導性平面厚膜抵抗器
・高周波用ポリカーボネートフィルムキャパシタ

Tannoyのデュアル・コンセントリック スピーカー(販売当時の最新型Prestige HEシリーズから、Monitor Red、Sliver、Goldまで)に対応しており、マニュアルには各モデルに対応したクロスオーバー周波数と能率の選択および付属アライメント・ゲージを使ったポジションが指定されています。
スーパーツィーターの設置位置はユーザーマニュアルで指定されており、アライメントゲージを用いてスピーカーの前端を基準にモデルごとに指定されたポジションに設置します。
Tannoy Yorkminsterの場合は「G」のポジションに設置します。

Tannoy Yorkminsterの場合、ユーザーマニュアルでは能率は93.5 dB、クロスオーバー周波数は14kHzが指定されていますが、聴感上スーパーツィーターの音色が濃く感じたので下の写真のように隠し味的に高域端を少し足すようなセッティングにしています。
(空きのネジ穴には埃よけにイヤホンジャック用キャップを挿しています)

日本の正規代理店ESOTERICが扱っていたST200はウォールナット無垢材エンクロージャーですが、このST200は日本ではあまり見ないブラックアッシュ無垢材のエンクロージャーです。
(イギリスのショップで購入時、ウォールナット無垢材エンクロージャーのST200の生産が終了しており本国の在庫はブラックアッシュ無垢材エンクロージャーのST200のみとなっていました)
音質について
透明感が上がり粒子感がとても細かく滑かな音質になります。また、音場が広がり、高音のみならず中音域と低音域の厚みが増し、体幹が強化されたような音質になります。
Tannoyのデュアル・コンセントリックユニットの高域は独特の味があり上質な木綿のような風合いの音質に対し、ST200スーパーツィーターはシルクような滑らかな風合いの音質となっています。コーヒーのブレンドのように自分のベストのクロスオーバーを見つける試行錯誤にオーディオの醍醐味を感じられます。
透明で明るく滑かな音が好みの場合はユーザーマニュアルで指定されているクロスオーバー周波数と能率のセッティングが良いかと思います。私の場合はいぶし銀的な音色が好みなので前述のような隠し味的セッティングにしています。
このスーパーツィーターを付けた音に慣れてしまうと、外したときの音が古風で渋く感じてしまいます。
仕様
Tannoy Super Tweeter ST200 仕様
PERFORMANCE | |
Recommended amplifier power | Up to 250W |
Continuous Power Handling | 135W RMS |
Sensitivity | 95dB maximum (2.83 Volts @ 1 metre) |
Nominal impedance | 8 ohm |
Frequency response (-6dB) | To 54kHz, usable output (-18dB) to 100kHz |
DRIVE UNITS | |
Driver type | 1″ diameter 25 micron titanium dome, gold finish, with neodymium magnet system |
CROSSOVER | |
Crossover type | 3rd order high pass |
Crossover frequency | 14, 16 or 18kHz adjustable |
Level adjustment | 89dB, 90.5dB, 92dB, 93.5dB, 95dB |
後継機 TANNOY – Prestige GR Super Tweeter / ST-300Mg
現在後継機としてPrestige GR Super Tweeterが販売されています。
Tannoy創業90周年(2016年)を記念してプレステージGR(ゴールド・リファレンス)シリーズに追加されたスーパーツイーターで、ビンテージ・マイクロフォンをモチーフに優雅なデザインフォルムを持つ製品です。
ドライバーユニットは25mmマグネシウム合金ドームが採用されています。前述のST200は25mmチタンドームです。
周波数特性はST200よりも超高域が伸びているようで62kHz(-6dB)/100kHz(-18bB)となっています。ST200は54kHz(-6dB)/100kHz(-18bB)です。
連続許容入力(RMS)は175WとなっておりST200の135Wに比べ耐入力が上がっています。
能率はどちらも95dBです。
クロスオーバー周波数はどちらも同じ14/16/18kHzが選択できます。
レベル調整はどちらも同じ89/90.5/92/93.5/95dBが選択できます。
ST-300MgはPrestige GR Super Tweeterの色違いの兄弟機種で既に生産完了しています。
ST200も兄弟機種が順次生産完了し最上位機種のみの販売を経て終売したので、Prestige GR Super Tweeterの購入を検討されている場合は早めに決断されたほうが吉かと思います。
