はじめに
電子工作やIoT開発、ロボット製作を始めると、「回路図を書きたい」「オリジナル基板を作りたい」と思う場面が必ず出てきます。しかし、従来のPCB設計ソフトは高価なライセンスが必要だったり、学習コストが高かったりして、初心者にとっては気軽に始めにくいのが課題でした。
そんな中、多くのエンジニアやメイカーに支持されているのが、オープンソースのEDA(Electronic Design Automation)ソフトウェア KiCad です。KiCadは無料で利用できるにもかかわらず、回路図作成、PCBレイアウト設計、3D表示、製造用データ出力まで、一連の電子回路設計を行うことができます。また、Windows・macOS・Linuxといった主要なOSに対応しており、個人の電子工作から企業レベルの製品開発まで幅広く活用されています。
2026年にはメジャーバージョンアップとなる KiCad 10 がリリースされ、使いやすさや機能面がさらに強化されました。世界中の開発者によって継続的に改善されており、これからPCB設計を学ぶ方にとっても有力な選択肢となっています。
本記事では、これからKiCadを使い始める初心者の方を対象に、KiCad 10のダウンロードからインストール、初回起動までの手順を画像付きでわかりやすく解説します。また、インストール後に確認しておきたいライブラリ設定や便利なプラグインについても紹介するので、初めての方でも安心してKiCad環境を構築できます。
「これから電子回路設計を学びたい」「ArduinoやRaspberry Piの自作基板を作りたい」「無料で本格的なPCB設計ツールを使いたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。まずはKiCad 10をインストールして、オリジナル基板作成への第一歩を踏み出しましょう。
KiCad 10とは?
KiCadはオープンソースの電子回路・PCB設計ソフトウェアです。
主な特徴
- 無料で利用可能
- 回路図エディタ搭載
- PCB設計機能
- 3D表示機能
- SPICEシミュレーション対応
- Windows、macOS、Linuxに対応
動作環境を確認する
インストール前に以下を確認しましょう。
- Windows 10/11
- インターネット接続環境
- 数GB程度の空き容量
手順1:公式サイトへアクセス
KiCad公式サイトのダウンロードページへアクセスします。
手順2:インストーラーをダウンロード
1.KiCad公式サイトのダウンロードページ内の「Download」をクリック

2.Windows版を選択

3.最新のStable Release KiCad 10インストーラーをお好みのサーバーを選んでダウンロード

4.ダウンロードが進行すると、Thank you for dowinloading KiCad! 画面が表示され、寄付受付ページが案内されます。KiCadはオープンソースEDAであり、寄付はソフトウェア開発や保守、機能改善の支援に活用されます。寄付は任意です。

手順3:インストールを実行
1.ダウンロードしたインストーラーを起動。ライセンスに合意のうえ「Next >」ボタンをクリック

2.ユーザーを選択し(デフォルトはall users)、「Next >」ボタンをクリック

3.インストールするコンポーネントを指定し(通常はデフォルトでOK)、「Next >」ボタンをクリック

4.インストール先を指定し(通常はデフォルトでOK)、「Install」ボタンをクリック

5.インストールが進行します。

6.インストール完了後「Finish」ボタンをクリックします。

一般的にはデフォルト設定のままで問題ありません。
手順4:初回起動
インストール完了後、
- スタートメニューからKiCadを起動
- プロジェクトマネージャーが表示されれば成功

初回起動時にはライブラリ設定が自動で行われます。
インストール後におすすめの設定
ライブラリの確認
- 設定 → シンボルライブラリ管理
- 設定 → フットプリントライブラリ管理

必要に応じて独自ライブラリを追加できます。
プラグインの活用
KiCad 10には「プラグイン&コンテンツマネージャー」が搭載されています。
- ツール → プラグイン&コンテンツ マネージャー

プラグイン&コンテンツ マネージャーで必要なプラグインを選びインストールします。

便利なプラグイン例
- Fabrication Toolkit
- JLCPCB Library
- LCSC関連ライブラリ
よくあるトラブル
起動しない
- PCを再起動
- 再インストールを実施
ライブラリが見つからない
- パス設定を確認
- ライブラリ管理画面を確認
旧バージョンのファイルを開く場合
バックアップを取ってから変換を行いましょう。旧バージョンのプロジェクトをKiCad 10で開くと更新される場合があります。
まとめ
KiCad 10は無料で利用できる高機能なPCB設計ツールです。公式サイトからダウンロードし、インストーラーの指示に従うだけで簡単に導入できます。
これから電子工作や回路設計を始める方は、まずKiCad 10をインストールして最初の回路図作成に挑戦してみましょう。
